第1章
公平な評価と、育つ仕組みづくり
頑張る人が、きちんと報われる。
感覚ではなく、根拠で評価する。
古野会長
新体制になってから一年なので、そこまで大きく変わったっていうより、
土台を整えるところからやっていますね。会社の仕組みを整えて、積極的に面談したり。
北原社長
そうですね。
外部の先生にも入ってもらいながら相談して、組織の仕組みを作り直してきました。
その中で大きいのは、人事考課の評価シートを新しく作り直して、今年からやり始めたことです。
古野会長
評価の仕組みは、ずっと必要だと思っていましたよね。
頑張っている人が、きちんと評価されるようにしたいっていうのが一番。
北原社長
やっぱり我々も人間なので、感情が入る部分もあるし、
好き嫌いじゃなくても、関わる時間の偏りが出てしまうこともあると思うんです。
だからそこは公平に、数字で根拠を持って「こういう評価ですよ」って示せるようにしていく。
会社が求めている基準を明確にして、それに対して評価できるようにする。
そこに少しずつ変えてきた感覚はありますね。
古野会長
評価がはっきりすると、本人も納得しやすいですもんね。
北原社長
そうですね。
納得感って大事で、理由が見えると次に何を頑張ればいいかも分かりやすいので。
古野会長
それと並行して、管理者向け研修もやっていますよね。
主任職と管理者向けで集まって。
北原社長
やりましたね。
支援の勉強は現場で積み上がってきた会社ですけど、マネジメントの勉強は体系的にやれてなかった。
従業員が増えてきたからこそ、みんなの方向を揃える力が必要だよねっていう話で、研修を入れました。
古野会長
管理職向け、主任職向けで、まず「影響力」ってところからでしたよね。
権力じゃなくて影響力で人を引っ張る、っていう。
北原社長
そうです。4回シリーズでやりました。
研修を受ける前は、正直、マネジメントとかリーダーシップの勉強が好きじゃないのかなって
思っていた人もいたんですけど、終わってみると意外と違って。
古野会長
反応ありましたよね。
北原社長
ありました。
研修後に意識して「こういうの新しくやってみています」って言ってくれたり、
教えてもらったことを自分で調べて実践してみたり。
こっちが「意外とこういうの好きなんだな」って気づけた部分もありました。
古野会長
それ、すごい良かったですよね。
やらされ感じゃなく、自分から動き始める。
北原社長
そうなんですよね。
それと研修って、共通言語ができるのも大きいなって思っていて。
古野会長
共通言語、揃いますよね。
「こういうときはこうだよね」って会話ができる。
北原社長
そうです。
頭の中のイメージが一致してくるので、チームとして揃えやすくなる。
現場に落とし込む時も説明しやすいですよね。
古野会長
ミッション、ビジョン、バリューはもともと定めていましたけど、
それとは別に、マネジメントの直接的な学びとして入れていった感じですね。
北原社長
はい。昨日もちょうどあったんですけど、
「いかに話を聞けるか」っていう、傾聴のところも学びました。
結局、コミュニケーションの本を読んでも、
マネジメントの本を読んでも、だいたい傾聴が出てきますからね。
古野会長
本当にそこ、基本ですよね。でも難しい。
北原社長
難しいです。日々勉強と悩みといろいろです。
あと、学びの時間をどう作るかっていうのも、今回大きかったと思っていて。
古野会長
これまでは、学びに行くのって、どっちかというと自分たち中心でしたもんね。
北原社長
そうなんです。会長が社長の時とか、私が統括の時は、
我々2人は外部研修で東京に行ったりして、学ぶ時間を多く持てた。
でも管理者や主任は、現場の日常業務が中心で、支援の学びはしてきたけど、
マネジメントやリーダーシップの研修にはほとんど行ったことがなかった。
それだと、やっぱり支援だけじゃなく、マネジメントの学びも必要だよねってなって。
古野会長
でも出張で行ってもらうのは、現実的に難しい。
北原社長
そうです。だから時間を作って、役職者で集まって、1日何時間か設けて勉強しようって。
やってみたら、ちゃんと時間は作れましたし、それなりにみんな意識してくれていると思います。
やってみて、すごい良かったなと思いました。
古野会長
良い組織を、より良い組織にしていくために、日々やっていくってことですね。
北原社長
そうですね。少しずつでも、仕組みと学びの両方を整えていきたいです。
ね。




第2章
一人の利用者さんから広がった、事業のかたち
人生に合わせて支援を
編んできた。
古野会長
まず、うちは一人の利用者さんから始まっていて、特に児童から始まったんですよね。
小学校、中学校の時に大パニックを起こして、「助けてください」っていう方がいて。
北原社長
そこが原点なんですね。
古野会長
そうです。スタッフが駆けつけて、その方も成長していく過程で、
その方の周りの「足りないサービス」を作ってほしいという声が出てきたんです。
例えば中高生の事業所がないなら中高生の事業所を作る。
ヘルパーの事業所がないなら、外出のヘルパーの事業所を作る。
北原社長
足りないところを一つずつ埋めていった感じですか。
古野会長
そうですね。将来、親元を離れて泊まる練習が必要なら短期入所施設を作る。
それから大人になって18歳以上になると、生活介護、
いわゆる作業所と言われるところが必要なので、作業できる場所を作ったり。
泊まる場所としてグループホームを作ったり。
ライフステージに合わせて事業を展開していった形ですね。必要に迫られて、という感じです。
北原社長
でも、必要があるって分かっていても、実際に形にするのは大変ですよね。
どうでした?
古野会長
制度が最初から分からなかったので、まず制度を調べるところから始まって。
次に物件を押さえて、人を雇って、教育して。でも、教育の仕組みも分からない。
自分は現場ばっかり入るのが好きだったので、マネジメントをほったらかして現場に入ってると、
こっちで問題が起きて、またこっち行って、こっち行って、また問題が起きて…っていうのが続く。
北原社長
最初の頃は特に、現場に没頭しちゃう感じですよね。
古野会長
そう。最初の2、3事業所ぐらいが一番、現場で没頭しちゃって。
マネジメントに逃げていた部分もあります。
どうしていいかわからなかったっていうのが、一番苦労したところですね。
北原社長
そこから体制が変わっていった転機って、何でした?
古野会長
やっぱり北原社長が入社してくれて、一緒にマネジメントしてくれたこと。
支えになってくれて、一緒の思いで現場に伝えてくれて。
それで少しずつ任せていける人材というか、任せていけるスタッフが入ってくれたのが嬉しかった。
そこが転機だと思いますね。
北原社長
私も近くで働かせてもらって、会長が社長の時に、
思いとか「こういう形でやっているんだよ」っていうのを直接教えてもらえたので、
そういう面ではやりやすかったです。
ただ大変だったのは、当時スタッフが10名〜十数名ぐらいの規模だったのが、
一気にバッと上がった時期があって。新しいスタッフを大量に採用した時期でもあったんですよね。
古野会長
未経験が多かったですもんね。
北原社長
そう。未経験の人の集まりで、
いろんな業種から来ていたので、考え方とかやることがバラバラすぎて、
「みんなでこうやっていこうよ」って揃えるのが難しかった。
でも逆に、やることが明確だったので、「走るしかない」って感じもあって。
とりあえずやろう、みたいな。
古野会長
人の出入りも多い時期がありましたよね。
北原社長
ありました。入ってもすぐ辞めて、また入って、教えたのに辞めて、みたいな。
そこは「またか…」ってなることもありましたけど、今思えば、あれもいい勉強でしたね。
人との関わりをどうしたらいいのか学びに行ったり、
自分の成長という意味では、すごく大きかったと思います。


第3章
働く人の人生と家族まで、
安心できる職場へ。
続けられる仕組みを。
古野会長
スタッフには、まず自分の人生の動機を見つけてほしいと思っていますね。
動機がないと、なかなかモチベーションも上がらない。
だから、動機を見つけて、こちらも上げて、一緒に「こうなりたい」を支えてあげたい。
北原社長
私も同じです。
一昔前は「会社のために」っていうのが強い時代もあったと思うんですけど、
その人の人生も大事なので。
自分の幸せをしっかり考えて、それを達成するために仕事をどう頑張っていくか。
会社の目的目標と、個人の目的目標、幸せが同じ方向に行けばいいなと思っています。
古野会長
待遇とか休日とか、労働時間とかも、良くしていきたいですよね。
北原社長
そうなんです。会長もその思いが強いので、私もそれをしっかり伝えていきたい。
働いている皆さんと、そのご家族が幸せに過ごせる。
そこに携われたら、我々も幸せだなって。
古野会長
最近、若い人が結婚したりとかね。
北原社長
そうですね。
古野会長
子どもも産まれてほしいとかね。
北原社長
そうですね。
古野会長
家を建ててくれている人もいる。もっともっと、
そういう人が増えるくらい安心して働ける場所にしたいなと思っています。
北原社長
産休・育休も、しっかり入ってもらっています。
法律に沿って、家庭のことを大事にしてもらう。
男性も育休取っていますし、取っているので100%取っています。
古野会長
どれぐらいの期間、取るんですか?
北原社長
長い人だと1年半ぐらいですね。それと、休みに入れる人だけじゃなく、
残って頑張ってくれている人たちにも何かメリットというか、
そういう人たちがいるおかげで休めるわけなので、
そっちにも「いいこと」をできたらいいなと思ってます。
古野会長
これから形にしていくところですね。
北原社長
はい。福利厚生って、休みや育児のこともそうですけど、
今は20代30代が多い一方で、40代後半に差し掛かったスタッフもいるので、
親の介護が出てくるよねって話もしていて。
介護の休みも取りやすくしていけたらもっといいと思うんですけど、
なかなか難しい部分もありますね。
古野会長
介護施設の話も、たまに出ますけどね。「やってください」みたいな。
北原社長
介護施設も、今は働く人がいないと難しいですね、って話になりますよね。




第4章
人を育て、地域に頼られる会社になる。
重度の方でも安心して
任せられる、地域の拠点へ。
古野会長
会社の成長は人がベースだと思います。柱になる人、
折れなくなる人を増やしていって、地域に頼られるというか。
「あそこ行けば、重度の障害の方でも安心して任せられるよね」
っていう会社になりたいですね。
北原社長
現場を任せられる人が増えるほど、支援の質も安定していきますよね。
古野会長
そうですね。働いている方には、本当は安心して長く勤められる会社にしたい。
やりがいを持ってできる会社に、どんどんしていきたいんですけど、
まだ道半ばで難しいところもあります。
北原社長
私は松下幸之助さんの本を読んでいて、
「何をやっている会社ですか」って聞かれた時に「人を育てている会社」って言った、
あの言葉がすごくいいなと思っているんです。
人を育てるっていうのは、自立して、
自分の幸せのために考えて行動できる人が増えることだと思っていて。
古野会長
それが利用者さんの豊かさにもつながる、っていう考え方ですよね。
北原社長
そうです。
周りの人の人間性が大きくなっていけば、おのずと利用者さんも豊かになっていく。
虐待とか、いろいろ問題があると思うんですけど、
そんな人間性ができていれば起きないって思っているので。
あったかい会社になって、みんなが笑って、
いつもワッハッハしている会社だったらいいなって思っています。


第5章
人間関係は“構築”する。
共に長く働けるために。
励まし、尊敬し、交渉する。
古野会長
うちは本当に人間関係を大事にしている会社なので、
具体的には「関わりの原則」を大事にしています。
批判する、脅す、罰する、ガミガミ言う。
そういったことはしないって、最初に説明するんですよね。
北原社長
最初にそこを言語化して伝えるのは、結構大事ですよね。
古野会長
逆に、励ましたり尊敬したり、意見が違うときは交渉したり。
「人間関係破壊の原則」と「構築の原則」があって、
構築の方の関わりでやっていきましょう、という形で大事にしています。
そこから外れている人は、
残念ながら離れていただいた方がお互いのためになるかな、と思うところもありますね。
北原社長
そういう価値観を大事にしてくれる人が来てくれたら、マッチしますよね。
古野会長
そうですね。そういう方が一番いいかなと思います。
北原社長
でも、面接だけでそこを見極めるのは難しくないですか?
古野会長
面接は短い時間なので、正直難しいです。
だから入ってから、「こういうの大事にしていますからね」って説明して、
試用期間の中で見ていく。1、2ヶ月すると出てくる部分もあるので、
フィードバックして、何回もフィードバックして改善できるのか。
考え方が違うなら、どこか行っていただいた方がいいなっていう見極めはあります。
面接だけだとなかなか見抜けないですね。
北原社長
現場から「社長と面談したい」って声が上がることもありますよね。
古野会長
ありますね。社長に連絡いきたいとか、面談してもらったり。
むしろ自分に連絡が来たり、面談しているとか。
北原社長
直接来ることもあります。だから面談をする、傾聴する、
そういったスキルを核となる人たちが身につけていけば、役割分担もできてくると思うんです。
「この人がこの人とやる」みたいに回せるようになるので、
そういうスキルはみんな必要になってくる。
今回の研修も、そういう内容を含めてやっていましたし、大事だと思ってます。
古野会長
最近だと、人事考課の面談もやっていますね。
スタッフ育成のために、面談の時間をちゃんと取って。
まず管理者から育成の状況を聞いて、次に管理者自身の状況も聞いて、
「どう頑張っていくか」を整理する。グッドポイントとモアポイント、みたいな感じで。
北原社長
やり方としても、批判したり脅したり、っていう方向じゃないですよね。
古野会長
そう。批判したり脅したり罰したりせずに、
支援して励まして、傾聴して。そこをベースにやっています。
会話の中で「この研修やってほしい」って要望があれば、研修をパッケージでやったり、
入職者向けに「これとこれとこれ」って形で取り組んだりもしています。
北原社長
マネジメントの本を読んでも、だいたい傾聴が出てきますよね。
コミュニケーションの話になると、ほぼ傾聴が出てくる。
古野会長
全然まだ学び途中で。なかなか難しいですね、まだ自分たちも。
北原社長
日々勉強と悩みといろいろです。
事業所が少ない時は会う回数も多いんですけど、増えてくると、
しばらく行ってない、会えてない、話ができてない、っていうのが出てくる。
ワンオンワンミーティングも最近よく聞くので、
どうやったらうまくできるか読んだり試したりするんですけど、継続が難しかったりします。
1回キャンセルになると、次の日程が決められずズルズル…とか。
古野会長
前は予定を決めて回っていたんですけどね。
カレンダーに入れて、Googleカレンダーで押さえてもらって。
北原社長
定期的に行けていた時は、反応も違いましたよね。
古野会長
そうですね。来てほしいって言ってくれたり、話したいって書いてくれたり。
前は毎週木曜日の10時から11時って決めていて、
毎週行っていろんな話を聞かせてもらっていました。
前向きな反応が出てくると、やりがいが出ますね。嬉しい。
困っていることも相談してくれるし。
最近はちょっと行けてないので、そこは課題ですね。
北原社長
求める人物像とか、行動基準も、まさにそこに関わってきますよね。
古野会長
そうですね。
北原社長
前に管理者で集まって、「誠実であることってどういうことか」
「信頼に値するってどういうことか」って、それぞれ言ってもらって、
紙にまとめて各事業所に貼っているんですよ。
ただ、これも何年も前、2〜3年前だったと思うので、
ブラッシュアップが必要だねって話をしています。
古野会長
来年あたりに集まってやろうって話ですね。
北原社長
来年のいつ頃やりますか?
古野会長
1月の管理者会議でやりましょうか。












